50~60代が注目するYouTubeチャンネルとは?
シニア世代のスマホ・動画利用実態を分析
若者がスマートフォンの主な利用者と見なされがちですが、実際には50代や60代といった高年齢層でもスマートフォンを日常的に活用しています。彼らはどのようにスマホを利用し、どんなコンテンツに興味を持っているのでしょうか。
調査会社インテージが提供する「インテージシングルソースパネル i-SSP」のデータをもとに、50代から60代を中心とした高年齢層のデジタルメディアの利用傾向が明らかになりました。
高年齢層が最も使っているアプリは?
まず、スマートフォンで最も利用されているアプリを見てみましょう。50~69歳のユーザーにおいて、最も利用頻度が高かったのは「Google Chrome」でした。続いて、連絡手段として欠かせない「LINE」、そして第3位には動画サービスの「YouTube」がランクインしています。
このデータからも、高年齢層がインターネット検索やメッセージアプリ、動画視聴といった基本的なスマートフォン機能をしっかりと活用していることが分かります。
50~60代が好むYouTubeチャンネルの傾向
YouTubeのチャンネルランキングを見ると、50~60代ではニュース系チャンネルが圧倒的に人気を集めていることが分かります。ほぼすべての上位チャンネルが時事ニュースや解説動画を提供するもので、情報収集が主な目的であることが伺えます。
加えて、料理やレシピに関するチャンネル、動物に関する癒し系コンテンツなども多く視聴されており、家庭や生活に直結する情報を求めている傾向も見られます。
一方で、10代や20代は映画やバラエティなどのエンタメ系コンテンツを好む傾向にあり、30~40代もこれに近い視聴傾向を示しています。年代によって関心のあるジャンルが明確に異なることが浮き彫りになっています。
ニュース視聴はテレビからスマホへ
50~60代は依然としてテレビで情報番組やワイドショーを視聴する割合が高いものの、YouTubeでもニュースコンテンツを積極的に視聴していることから、ニュース視聴そのものが彼らにとって重要な日課であることがうかがえます。
スマートフォンは速報性に優れており、リアルタイムでの情報収集が可能です。そのため、ニュースに敏感な高年齢層にとって、スマホやYouTubeは非常に親和性の高いメディアとなっているのです。
「役立つ情報」を求める姿勢が明確に
同じ調査の中で、YouTubeを利用する理由についても分析が行われました。50~60代の回答で特に多かったのが、「知りたい情報を探すため」という項目です。これは、検索アプリの使用時間が長く、ニュース動画の視聴時間も多いという実際の利用傾向とも一致しています。
一方で、10~40代では「娯楽として楽しむため」や「暇つぶし」といった理由が主であり、世代間での利用目的の違いが際立っています。
スマホは情報収集の必須ツールに
これらの結果から、高年齢層にとってスマートフォンは「情報を得るための道具」であり、単なる娯楽のツールではないことが分かります。特に信頼できるニュースや、生活に役立つ実用的な情報へのニーズが強く、その傾向は今後さらに広がっていくことが予想されます。
デジタル技術の進化とともに、高年齢層のスマホ活用の幅は今後ますます広がり、YouTubeのようなプラットフォームは、より多様な世代にとっての「情報源」としての地位を確立しつつあります。