Adorable Adventures開発者が明かす、好奇心を軸にしたクエストデザインの制作過程
私たちが探求するquest designは、プレイヤーの好奇心を中心に据えた独自のアプローチです。Wild Sheep Studioが2013年に設立されて以来、様々な困難を乗り越え、現在は12人の緊密なチームとして、赤ちゃんイノシシのBorisを主人公にした居心地の良い三人称視点探索ゲーム、Adorable Adventuresを開発しています。特に、従来のquest designとは異なり、嗅覚を中心としたメカニクスや自然環境への深い観察を取り入れた制作プロセスが注目されます。本記事では、好奇心を軸にしたクエスト哲学から具体的な制作手法、さらに他のゲームとの比較を通じて、このユニークな開発アプローチの全貌をお伝えします。
好奇心を刺激するクエストデザインの哲学とは
Adorable Adventuresのquest designは、プレイヤーの好奇心という単一の感情を原動力とする哲学に基づいています。ボリスは幼いイノシシであり、世界は彼にとって初めての匂いで溢れています。この設定自体が、探索における自然な動機を生み出します。匂いを辿ることで新たな発見に繋がり、プレイヤーは自らのペースで探索を楽しめる仕組みです。
メインクエストは家族探しですが、ゲームはそれを強制しません。プレイヤーが興味を引かれるままに自由に世界を巡ることができる設計になっています。この自由度を保ちながらも、自然保護官のマクシムが「森の番人」として登場します。彼は冒険の語り部でありながら観察者としての役割を担い、ボリスに直接指示を与えることはありません。代わりに、人間の理解する道筋と地図、そしてボリスの嗅覚と本能の世界との橋渡し役を務めます。
この独特のシステムによって、ボリスは好奇心旺盛で遊び好き、時には頑固な「本物の動物」としての性質を保ちながらも、プレイヤーは物語の道標と役立つヒントを得られます。マクシムの役割は、プレイヤーが今していること、あるいはしたことについて洞察を共有することに限定されています。
開発チームが実践したクエスト制作の具体的プロセス
クエスト制作の実装では、複数の層が組み合わさった構造を採用しています。家族のイノシシと再会すると、それぞれの性格に合わせたクエストが用意され、それをこなすことで一緒に旅を続けられます。クエストは、パズル要素であったり、特定の植物を探してきたりといったものがあります。
さらに、本作にはサイドアクティビティも用意され、タイムトライアルレースや写真撮影チャレンジなどの寄り道要素が存在します。自然保護官のマクシムを通じて語られる物語や、彼の日誌をアンロックしていく要素もあり、アンロックを進めることでボリス用のアクセサリを入手できます。
この多層的なquest designにより、プレイヤーは自分の興味に応じて探索の深度を選択できます。パズルを解く知的な挑戦を求める人、写真撮影で美しい瞬間を捉えたい人、タイムトライアルでスピード感を楽しみたい人、それぞれが満足できる設計になっています。性格の異なる家族メンバーとの出会いは、単なる収集要素ではなく、各キャラクターの個性を反映したクエスト体験を提供します。
他のゲームと比較して見えるAdorable Adventuresの独自性
従来のMMORPGでは、WoWが発明した「クエストハブ」システムが主流です。プレイヤーは新しい町に到着し、5~10個のクエストをまとめて受諾し、周辺エリアで一気に遂行します。頭上の黄色い「!」マークが冒険の招待状として機能し、プレイヤーは「次に何をすればいいか」に迷うことがなくなりました。
対照的に、Elden Ringはクエストログを完全に廃止し、NPCは独自の動機で世界を移動します。この設計は賛否両論を呼び、自由な探索を求める層からは支持される一方で、オープンワールドで線形ゲームのようなクエスト進行システムを採用したため、特定の順序で進まないとNPCが消失し、クエストラインから締め出される問題が指摘されています。実際に、99%のプレイヤーはガイドを見なければMillicentのような難解なクエストを完了できません。
Adorable Adventuresは、この両極端な設計の中間に位置します。急かされることなく、ゆったりと気ままな冒険を楽しめるよう設計され、森の番人がボリスの嗅覚と本能の世界と人間の理解する道筋との橋渡し役を務めます。プレイヤーの探索を中断せず、直接指示も与えません。この設計により、マーカーに追われることなく、しかし完全に迷うこともない探索体験を実現しています。
結論
私たちのquest designは、要するに好奇心という感情を核とした探索体験です。ボリスの嗅覚メカニクス、マクシムの控えめな導き、そして多層的なクエスト構造を組み合わせることで、強制と放任の間でバランスを取りました。実際に、従来のマーカー追従型でもなく、完全に迷わせる設計でもない、第三の道を示せたと考えています。プレイヤーが自分のペースで森の世界を発見できる、この居心地の良い冒険を楽しんでいただけることを願っています。


