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「ボーダーランズ4」:セイレーンのヴェックスがボスを秒殺する「出血ビルド」が話題に。一方、PC版のパフォーマンス問題が議論を呼ぶ

「ボーダーランズ4」:セイレーンのヴェックスがボスを秒殺する「出血ビルド」が話題に。一方、PC版のパフォーマンス問題が議論を呼ぶ

先週リリースされた待望の新作「ボーダーランズ4」。多くのプレイヤーが週末を利用して新惑星「カイロス」の探索に乗り出しています。本作ではアモン、ハーロウ、ラファ、そしてヴェックスという4人のヴォルト・ハンターから一人を選びますが、現在、特に注目を集めているのがセイレーンの「ヴェックス」です。彼女が持つ、ボスさえも一瞬で葬り去る驚異的なポテンシャルが、コミュニティで大きな話題となっています。

瞬殺可能なサイレーン「ヴェックス」の強力ビルド

発売から間もなくして、プレイヤーたちはヴェックスが持つ圧倒的な火力に気づき始めました。その一例として、海外の掲示板サイトRedditでは、たった一発のショットガンでボスを倒す動画が投稿され、大きな反響を呼んでいます。

この驚異的なダメージの源泉は、ヴェックスのスキルツリーに組み込まれている「出血」効果にあります。この効果は、一度発動すると継続的にキネティックダメージを与え、さらに効果を重複させることでダメージが爆発的に増加していくというものです。この仕組みを利用することで、いかなる敵も耐えられないほどのダメージを叩き出すことが可能になります。

人気の「出血魔女」ビルドの詳細

この「出血」効果を最大限に活用したビルドとして、コンテンツクリエイターのMoxsy氏がYouTubeで公開した「Bleed Witch(出血魔女)」ビルドが絶大な人気を博しています。彼のビルドは、あらゆる敵を文字通り数秒で「溶かす」ことができると評判です。以下にそのビルドの要点をまとめます。

Moxsy氏が主軸に置いているのは、緑のスキルツリー「ヴェックスカレーション」です。彼は「ゲーム序盤は青の『厄災の到来』ツリーの方が進めやすいかもしれないが、装備がある程度揃えば『ヴェックスカレーション』が最良の選択肢になる」と語っています。

スキル構成例:

  • アクション・スキル: インカーネーション

  • 緑ツリー「ヴェックスカレーション」

    • 吸引の同調:5ポイント

    • 瀉血:5ポイント(「出血」効果のスタックに重要)

    • エナジーヴァンパイア(改良)

    • 物質要素:5ポイント

    • 墓の活力:5ポイント

    • エッセンス吸引:5ポイント

    • 血は力なり:3ポイント

    • 終点スキル:ハートスティーラー

    • 墓の収穫(改良)

  • 赤ツリー「第四の封印」へ移行

    • エンチャントメント:5ポイント

  • 青ツリー「厄災の到来」へ移行

    • 遊休な手:3ポイント

    • コールドアイアン:2ポイント

    • 苦悶の前兆:5ポイント

    • 墓の速さ:5ポイント

    • プリズム分泌物:1ポイント

重要な装備: 武器については、Moxsy氏は「出血」効果を誘発しやすいJakobs社製の武器を推奨しています。しかし、このビルドで最も重要な装備は「Booming Vivisecting Throwing Knife」という投擲ナイフです。特に、このナイフに付与される「Penetrator」という特性が鍵となります。この特性は、ナイフが命中した敵に対し、5秒間、武器による攻撃だけでなくステータス効果やアクション・スキルを含む全てのダメージがクリティカルヒットになるというものです。これにより「出血」効果が連続的に誘発され、自己増殖的にダメージが跳ね上がり、数百万単位のダメージ数値を実現します。

一方で浮上するPC版のパフォーマンス問題

このようにゲームプレイ面で大きな盛り上がりを見せる一方、「ボーダーランズ4」のPC版は、そのパフォーマンスに関してプレイヤーから厳しい批判を受けています。リリース直後からSteamのレビュー欄には、最適化不足やフレームレートの低下、クラッシュに関する不満が多数寄せられ、現在の評価は「65%が好評」という賛否両論の状態です。特に、最小スペックと推奨スペックの中間程度のPCを持つ多くのプレイヤーが、グラフィック設定を最低にしても安定した60FPSを維持できないと訴えています。

Gearbox社CEO「DLSSを使えばいい」と反論

この状況に対し、開発元であるGearbox SoftwareのCEO、ランディ・ピッチフォード氏がX(旧Twitter)で長文のスレッドを投稿し、持論を展開しました。彼は、PCゲーマーは自身のハードウェアとソフトウェアの関係を理解する必要があると述べ、Unreal Engine 5で開発された「ボーダーランズ4」のようなゲームは「非常に要求スペックが高い」と主張しました。

「『ボーダーランズ4』では、全てのPCプレイヤーがFPS、解像度、そしてレンダリング機能のバランスを調整するための多くのツールを持っています。もし現在のバランスに満足できないのであれば、どうか利用可能なツールを使って調整してください。」

ピッチフォード氏は、望むフレームレートを達成するためにグラフィック設定を調整することを提案し、特にNvidiaのDLSS、AMDのFSR、IntelのXeSSといったアップスケーリング技術の重要性を強調。「DLSSは素晴らしいので、ぜひ活用してほしい。このゲームは、その技術を利用することを前提に開発されている」と述べました。さらに、彼自身のテストではDLSSによる入力遅延はほとんど体感できず、本作は競技性の高いシューターではないため、人間の知覚ではその差は分からないだろうと付け加えました。

また、ピッチフォード氏は、開発チームがすでにパフォーマンス向上のための作業に取り組んでいるとしながらも、「ボーダーランズ4」の技術は不要なプロセスを実行しておらず「極めて最適化されている」との見解を示しました。開発者の目標は、最小スペックで30FPS、推奨スペックで60FPSを達成することであり、自身のPCがシステム要件を大幅に上回っていないにもかかわらず、ウルトラ設定や超高解像度で高いフレームレートを期待するのは非現実的だと指摘しました。

議論を呼ぶ発言とプレイヤーへの提案

ピッチフォード氏の一連の発言は、コミュニティに大きな波紋を広げました。最適化不足を指摘するコメントに対して、彼は「それなら自分たちでゲームエンジンを開発して、やり方を見せてくれ。それができたら、我々が顧客になろう。今それをやっている人間は、明らかに愚かで何も分かっていないということだろう」と皮肉を込めて返信しました。

一方で、彼は「強い感情が強い意見につながることは理解しています。私たちは皆さんの声を聞いています」とプレイヤーに寄り添う姿勢も見せ、コミュニティの情熱に感謝を述べるとともに、テレメトリデータを積極的に監視し、改善に役立てていることを強調しました。

最後にピッチフォード氏は、不満を抱えるプレイヤーに対して明確なアドバイスを送りました。 「もし皆さんが、うっかり、あるいは希望的観測から、ご自身のシステムが持つ性能以上のものを求めてしまったり、設定をいじって自分好みに調整する気がないのであれば、不十分な体験を続けるのではなく、どうかSteamの返金機能を利用してください。」